King ＆ Prince・永瀬廉が主演を務める日曜ドラマ「新・信長公記～クラスメイトは戦国武将～」(毎週日曜夜10:30-11:25、日本テレビ系)。戦国武将のクローンである高校生たちが挑む一番強い人物を決める戦いを描く同ドラマ。そんななか、7月31日放送の第2話で濱田岳演じる黒田官兵衛の暗躍が始まり、目が離せない。(以下、ネタバレがあります)

【写真】個性的な制服を着た濱田岳“官兵衛”と西畑大吾“秀吉”

■名だたる戦国武将で誰が一番強いのか？

同ドラマは、甲斐谷忍の漫画「新・信長公記～ノブナガくんと私～」(講談社)が原作。戦国武将のクローン高校生たちが集結した2122年の学校を舞台に、学園のてっぺんを目指して大暴れする“学園天下獲りエンターテインメント”となる。

主人公・織田信長を永瀬、クラスで唯一武将ではない女子高生で学級委員長の日下部みやびを山田杏奈、豊臣秀吉をなにわ男子・西畑大吾、明智光秀を萩原利久、上杉謙信を犬飼貴丈、伊達政宗を三浦翔平、武田信玄を満島真之介、黒田官兵衛を濱田岳、徳川家康を小澤征悦が演じる。

ある博士の「名だたる戦国武将たちがもし一斉に現代に生まれたら誰が最も強いのか…」という夢をかなえるために作り出されたクローンたち。全員、史実や逸話に由来する人物像で描かれており、それを踏まえての戦いぶりが面白さとなる。

物語は、入学早々、上級生たちから目の敵にされる戦国武将のクローンたち。理事長の別府ノ守与太郎(柄本明)の提案で、高校で一番強い人物を決める「旗印戦」が開幕した。旗印戦とは、倒したい相手を記入した旗印を掲げ、勝てば相手が持っているポイントを獲得できるという仕組みだ。

■天才軍師らしい雰囲気をさっそく醸し出している官兵衛

戦国武将のクローン高校生たちが集められた特進クラスの教室も、まだ戦に興味を示さない信長を除いて一触即発の空気が漂う。さすが戦に長けたものたちの集まりだ。そんななかで、異彩を放つのが史実で天才軍師と伝わる黒田官兵衛。

官兵衛は交渉事がうまかったとされるが、7月24日放送の第1話ではまず政宗と信玄の言い合いを鮮やかに仲裁した。また、信玄が205人から旗印を掲げられたときには、前席に座っていた井伊直政(駿河太郎)をつついて「まさか…」とニヤリ。鋭い観察力で直政が関連していることを見抜いていたようだった。

さらに、31日放送の第2話ではさっそく暗躍を始めた。秀吉に対して加藤清正(須賀健太)が旗印を掲げたのだが、そうするように仕向けたのが官兵衛だ。ラストで信長にそれを問われると、「障害にあい　激しくその勢力を　百倍し得るは水なり(物事を進めるうえで障害や壁があったとしても努力し続けていくことが自分の力になる)」という官兵衛が実際に残したとされる言葉を放った。そして、「秀吉にはまぎれもなく才能がある。人たらしの才能だ。どうせ戦うなら覚醒した秀吉と対峙したいじゃないか」と言った。

歴史上では、信長、秀吉、家康と三英傑に仕えたとされる。なかでも秀吉の天下統一に大きな役割を果たしたが、秀吉からその才能をかえって警戒されるほどたったという逸話も。

第1話ではクラスメイトたちがドローンの中継で信玄の戦いぶりを見るなかで、官兵衛が解説していると、いいところを秀吉が横取りし、そんな秀吉に官兵衛が怒る場面があった。本来の秀吉と官兵衛の関係性を考えても面白い。

そんな他の武将たちとの掛け合いの間合いもだが、きっと何か考えているであろうと予期させる表情作りのうまさが、演じている濱田の真骨頂だ。

■大河ドラマでも官兵衛に関する役を経験している濱田岳

濱田は、1988年生まれの34歳。1998年にドラマ「ひとりぼっちの君に」(TBS系)でデビューし、2004年の「3年B組金八先生」(TBS系)で注目された。

その長いキャリアで出演作もかなりの数となり、主役でも脇役でも、そしてコメディでもシリアスでも光る演技力は誰もが知るところだ。記憶に新しいところでは、2022年4月期のドラマ「マイファミリー」(TBS系)では、娘を誘拐された主人公の友人ながら、関連する事件を密かに引き起こしていたという難役に抜擢。30分に及ぶ告白シーンなどで、サイコパスではない、苦しみや悲しみ、葛藤を背負った人物像を体現し、視聴者はその演技に感嘆した。

そして、官兵衛の役には縁もつながっている。官兵衛が主人公となった2014年の大河ドラマ「軍師官兵衛」(NHK総合)では、官兵衛の信頼厚い家臣の栗山善助を演じた。その後、2020年の大河ドラマ「麒麟がくる」(NHK総合)の最終回に官兵衛役で登場した。

今回はクローンの高校生官兵衛ではあるが、濱田がその知将ぶりをどう見せてくれるのか楽しみだ。本作は第1話、第2話と続いてタイトルがTwitterのトレンド入りする反響を呼んでいるが、濱田演じる官兵衛の人気も高い。「こんなに表情だけで雄弁に語るのかと驚かされる」「出てくるたびに、惹きつける表情をする黒田官兵衛」「官兵衛が恐ろしくなってきたな、、なにを企んでいるんだ」といった声が上がっている。

◆文＝ザテレビジョンドラマ部