King & Prince・永瀬廉が主演を務める日曜ドラマ「新・信長公記~クラスメイトは戦国武将~」(毎週日曜夜10:30-11:25、日本テレビ系)。戦国武将のクローン高校生たちが戦うストーリーが展開するなか、8月7日放送の第3話徳川家康(小澤征悦)が明智光秀(萩原利久)に挑んだ。史実に基づきつつ、創作物語としての絶妙な面白さが光る。(以下、ネタバレがあります)

【写真】凶暴さが際立つ小澤征悦“家康”と、策士の表情を見せる濱田岳“官兵衛”

■家康が明智に戦いを挑む

同ドラマは、甲斐谷忍の漫画「新・信長公記ノブナガくんと私~」(講談社)が原作。戦国武将のクローン高校生たちが集結した2122年の学校を舞台に、「旗印戦」と称した戦いで学園のてっぺんを目指して大暴れする“学園天下獲りエンターテインメント”となる。

主人公・織田信長を永瀬、クラスで唯一武将ではない女子高生で学級委員長日下部みやび山田杏奈豊臣秀吉をなにわ男子・西畑大吾、明智光秀を萩原、上杉謙信を犬飼貴丈、伊達政宗三浦翔平武田信玄を満島真之介、黒田官兵衛を濱田岳、徳川家康を小澤征悦が演じる。

第3話では、「旗印戦」ランキング1位の信玄をたった1分で倒した家康が、明智を次の対戦相手として24時間以内に倒すと宣言した。明智はクラスメイトたちに交渉し、「反家康同盟」を結成して逃げ切ろうとする。

■“裏切者”とされる明智の運命は?

冒頭、鶏を前に「鳴け!」と言っている信長。「鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス」とは、信長の短気さを物語った言葉とされるが、本作では「鳴かぬなら…コケコッコー! 俺が鳴く」と言った永瀬“信長”。対して、温和だったとされる家康は「鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス」のはずが、鶏を脅して鳴かせた。ここが面白さのポイントになってくる。

戦国武将のクローンとして“ほぼ”史実に基づいた性格になっているが、“ほぼ”というところから趣向を凝らした展開につながる。

クローンを作り出した博士の息子(波岡一喜)がみやびに接触し、世に出回っていない記録に家康が幼いころから残虐非道だった記録があるとし、博士も3歳のクローン家康に殺されたと明かした。そして、みやびの歴史の知識を活かし、武将たちをコントロールしてほしいと願った。

そんななかでの家康と明智の戦い。「完膚なきまでの支配」を目指す家康から、クラスメイトを味方につけて図書館に隠れていた明智は、信長に「今回の旗印戦において一番重要な人。僕は知っています、信長君の強さを」と言い、協力を申し出た。

戦に興味を示さない信長だったが、学校の平和を願うという明智の言葉を聞き、「力は貸さないが、友人としてならここにいてもいい」とした。

信長と明智といえば、“本能寺の変”。その歴史で裏切者とされる明智は、本作ではどうなのかが注目された。

■ついに信長が「天下獲り」宣言!

翌朝、家康は「敗北でよい」と告げた。ただ、それは戦略だった。中学時代にギャングチームにいたもののパシリだった明智は、「お前が歩んできた裏の道を表に変えてやる」という言葉に揺さぶられ、降伏した。

「裏切るのですか」と言うみやびに、「裏切るんじゃない! これ以上、自分を裏切りたくない。自分に正直に生きたいから」と返した。自分を変えたいという思いだったのだ。

そんな明智に、信長は「貴様が立っているその道は表の道と裏の道、どっちだ。それはただの道だ! 人が歩く道に表も裏もない。必死に歩けばそれが自分の道になる、きっと」と説いた。

そしてラストは、家康が自身がクローンであることや歴史を知っていて学園を支配しようとしていることを危惧するみやびや、信玄、明智の姿を見てきた信長が、ついに立ち上がった。「天下を獲る」という幕を掲げ、「是非に及ばず」と叫んだ。

「是非に及ばず」は、本能寺の変で信長が言ったとされる言葉で、「どうすることもできない、仕方がない」という意味で使われているが、もう一つの意味は「迷う前に戦え」だったという。

このアツい展開で、第1話から3回連続でタイトルがTwitterのトレンド1位を獲得する反響に。「戦に興味がなかった信長が周りの人を想って天下を獲るために立ち上がるなんてかっこよすぎる」「道に表も裏もない~の信長の言葉刺さる」「内容が濃くなってきてめっちゃ面白い!」といった声が上がった。史実を織り交ぜながらどう進んでいくのか期待が高まる。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

明智光秀(萩原利久)と織田信長(永瀬廉)/(C)ytv