女優グウィネス・パルトロウが現地時間21日、スキー場での衝突事故をめぐる民事裁判のため米ユタ州パークシティの裁判所に出廷した。グウィネスは、元医師の男性から衝突により深刻な怪我と脳損傷を負わせられたと訴えられ、約4000万円の損害賠償を要求されている。男性によるとグウィネスは前方不注意で激突した後、すぐに現場を立ち去ったという。これに対してグウィネスは、衝突したのは男性の方だと主張している。

グウィネス・パルトロウは2019年、元検眼専門医のテリー・サンダーソンさん(Terry Sanderson、76)という男性からスキー場での衝突事故をめぐり提訴されていた

事故は2016年2月、ユタ州パークシティのスキー場「ディアバレー・リゾート」で起こった。テリーさんは初心者用ゲレンデでスキーをしていた際にグウィネスから衝突されたが、彼女は現場から立ち去ったと主張。さらにこの衝突により、外傷性脳損傷と肋骨4本を骨折、痛みと苦しみ、人生の楽しみの喪失や精神的苦痛などを受けたと訴えていた。

当時のテリーさんは310万ドル(当時のレートで約3億3900万円)の損害賠償を求めていたが、その請求は取り下げられた。そしてこのほど始まった民事裁判では、30万ドル(約4000万円)を要求する訴えを申し出たのだ。

21日に開始した裁判の冒頭陳述では、テリーさんの代理人ローレンス・ビューラー氏(Lawrence Buhler)が「注意力散漫なスキーヤーが事故を起こすのです」と述べ、こう続けた。

「被告グウィネス・パルトロウは、スキーをしながら山の上や横を見ることが危険だと知っていた。(彼女は)上を見ながらやみくもに山を滑り、どこか別のところを見ていたのです。無謀でした。」

ローレンス氏は、この時のグウィネスが子供達の姿を見るために首を傾けたと主張し「彼女は首を下に向けた瞬間に悲鳴をあげ、スキーをしながらテリーさんの背中に突っ込みました。2人は激しく地面にぶつかったのです」と述べた。

この衝突でテリーさんの体は地面に叩きつけられたという。さらに2人が衝突後、グウィネスは何も言わずに急いで現場を立ち去ったと主張している。

当日の法廷には、テリーさんのスキー仲間であるクレイグ・ラモンさん(Craig Ramon)が証人として出廷した。事故当時、テリーさんから約11メートル離れた場所にいたというクレイグさんは、当時の状況についてこのように証言した。

「私達がゲレンデを滑っていると、叫び声が聞こえました。それで見回すと、スキーヤー(グウィネス)がテリーの背中に衝突しているのが見えたのです。」

「彼女はテリーの背中に直接ぶつかったのです。彼のスキー板は外れて、うつ伏せに倒れました。両足を広げた状態でした。その上にグウィネスが覆いかぶさると跳ね返り、1.5メートルから3メートルほど滑ったのです。」

この時クレイグさんは、テリーさんとグウィネスに大丈夫かどうかを尋ねたそうだ。その時の様子について「テリーは動かず、顔は雪の中にありました。彼のヘルメットは雪に埋もれていました。彼女は私を見ていたので再度聞いてみましたが、すぐに立ち上がって一言も話すことはありませんでした」と語っている。

一方でグウィネスの弁護団は、衝突したのはテリーさんの方だと主張しており、彼女の弁護士スティーヴ・オーウェンス氏(Steve Owens)はテリーさんの訴えを「まったくのデタラメだ」と非難した。

スティーヴ氏の主張によると、衝突後にグウィネスと一緒にいた人物がテリーさんを確認した際、彼は「大丈夫です」と答えたそうだ。テリーさんはこのやり取りを否定していないものの、法廷に提出した書類では「記憶にない」と記述しているという。

さらにスティーヴ氏は、衝突後のグウィネスが「どこかのろくでなしがぶつかってきた」と娘アップルさんに伝えたことや、気分を害したことからスキーを早めに終えたことを述べている。

なお今回の裁判は、1週間以上続く予定だ。

画像2枚目は『Law&Crime Network 2023年3月22日付Twitter「#GwynethPaltrow’s lawyer complained about a “new camera” pointed directly at the actress」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)

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