7月25日(火)まで大阪松竹座にて、『大阪松竹座開場100周年記念 七月大歌舞伎 関西・歌舞伎を愛する会 第三十一回』が開催されている。昼の部のオフィシャル初日レポートが到着したので紹介する。(SPICEでの夜の部レポートはこちら

一、「吉例寿曽我」

「吉例寿曽我」

「吉例寿曽我」

「鶴ヶ岡石段」では中村隼人演じる近江小藤太と中村虎之介演じる八幡三郎が舞台いっぱいに飾られた巨大な石段で立ち廻りを見せます。石段から次の場への大がかりながんどう返しも注目。「大磯曲輪外」では、片岡千之助演じる曽我十郎と市川染五郎演じる曽我五郎が、坂東彌十郎演じる、父の敵・工藤祐経と出会います。だんまりもあり、歌舞伎様式美に富む一幕が客席を魅了しました。

二、「京鹿子娘道成寺」

「京鹿子娘道成寺」

「京鹿子娘道成寺

「京鹿子娘道成寺」

「京鹿子娘道成寺

尾上菊之助演じる白拍子花子が衣裳を変えながら恋する娘の様々な恋心を巧みに踊り分けます。所化による手ぬぐいまきには客席が大興奮。また美しかった花子が最後には落ちた鐘の上に清姫の怨霊である蛇体の姿となって現れると、大きな拍手に包まれました。

三、「沼津」

「沼津」

「沼津」

沼津の街道で中村鴈治郎演じる雲助平作と中村扇雀演じる呉服屋十兵衛が出会います。コロナ禍ではできなかった客席のなかを歩く演出では、時事ネタも取り入れた楽しいやりとりに客席は大盛り上がり。片岡孝太郎演じる平作の娘お米も加わっての明るい雰囲気から、後半は一転。生き別れた親子の悲しい対面とその情愛の物語が観客の胸を打ち、大きな拍手の中幕が下りました。

千秋楽公演のチケットは7月17日(月・祝)18:00まで、イープラス他プレイガイドにて発売中。

「沼津」