裏金にまみれ、泥舟政権と化していよいよ追い込まれた増税クソメガネは、日本総国民を火の玉にして玉砕するつもりなのか。

 安倍派の政治資金パーティーのキックバック事件で自民党が大揺れする中、岸田文雄総理は国会閉会後の12月13日の記者会見で、こう強調した。

「国民の信頼回復のため、火の玉となって党の先頭に立ち、取り組んでいく」

 ところが、だ。その二枚舌で、とんでもない「医師会バラマキ増税」を強行していたことがわかった。

 同日、我々が毎月支払っている健康保険料に大きく影響する、医療の値段「診療報酬」の来年度改定について、政府はコッソリと「診療報酬を引き上げる」方針を示した。財務省は11月に「新型コロナで医療業界は8%も利益を伸ばした」と指摘。他産業とのバランスが取れないとして、診療報酬を引き下げる方針を示していたが、それを真っ向から否定した形だ。

 健康保険料は「ステルス税金」と言われる。基金のように我々から徴収した健康保険料をストックして、決められた予算額を振り分けるのではなく、老人が暇つぶしや湿布薬、保湿剤をもらうために病院に行けば行くほど医者は儲かり、健康保険料額に反映される。2022年度の医療費は、46兆円を超えた。

 健康保険料の値上げは閣議決定で決まり、国会での審議の必要もない。なので今年だけでも2回、保険料の引き上げが行われた。手取り月収が減って、給料明細を二度見三度見したサラリーマンは少なくないだろう。

 しかもサラリーマンと企業が半分ずつ支払っている健康保険料の4割は、前述した湿布や保湿剤などの老人医療の赤字分に補填されている。

 さらに、こども家庭庁12月11日に「次元の異なる少子化対策」の財源として、健康保険料に「支援金」を上乗せすることを表明したばかり。2026年度から健康保険料は「支援金名目」で段階的に、最低でも月額500円以上の値上げが決まった。新入社員でも年額1万2000円以上の負担増、平均年収世帯でも2万円程度の負担増が見込まれ、若い世代はますます結婚と出産育児の経済的余裕がなくなる。

 この支援金、診療報酬を大幅ダウンして「健康保険料は変えないだろう」と、筆者は希望的観測を抱いていた。財務省が指摘するように、日本の医者はコロナバブルでボロ儲けしており、中には中国人観光客に1錠10円の去痰薬を2万円で売りつける悪徳開業医もいたほどだ。

 実体験者として書くが、その間、医療現場で働いていた看護師はコロナ陽性老人介護と新型コロナ検査とワクチン接種を押しつけられながら、時給1400円から1800円の薄給のまま、コロナでの「減収」を口実に、ボーナスももらっていない。

 そのせいで看護師は大量辞職し、ジェネリック製薬会社の「薄利多売ビジネスモデル」が崩壊。病棟閉鎖や処方薬不足が続いている。政府がどこまで腐っていても、少子化対策の支援金の上乗せ分は、「コロナ肥り」した医者に負担を強いるくらいの良識は持ち併せていると思っていたのだが…。

 東京新聞12月12日付の記事で、日本医師会(日医)の政治団体「日本医師連盟」(日医連)の2022年分の政治資金収支報告書を取り上げ、政治資金パーティー券の購入など、自民党への「政治資金」総額は5億2000万円にものぼると報じた。

 我々の健康保険料の値上げ分は悪徳医者と自民党の裏金国会議員にチューチュー吸われ、おまけに収支報告書には不記載の「脱税」し放題。自分達は脱税しておいて、国民にはさらにステルス増税するというのだから、今年の漢字にまで選ばれた増「税」クソメガネのブレなさには、怒りと呆れを通り越して恐れ入る。

(那須優子/医療ジャーナリスト)

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