坂本はV奪回のキーマンとして期待を集める(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 巨人が来季V奪回を目指す意味で大事なキーマンとなるのがベテランの坂本勇人になることは間違いない。

 今季は9月から三塁に本格コンバート、後半戦に入って打撃も復調、開幕当初は不振にあえいだが、終わってみれば打率・288、22本塁打、60打点をマーク。中でも本塁打は4年ぶりの20本超えと自身もこだわっていた長打力に復調気配が見られた。

 球界屈指の好打者、坂本の打撃のこだわりはどんな点にあるのか。現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務めた野球評論家の高木豊氏のYouTubeチャンネルに出演し、打撃論を語っている。

【動画】【永久保存版打撃論】「3種類のイメージ」坂本勇人が考える打撃の極意!少年少女は〇〇を意識せよ!

 12月24日に【永久保存版打撃論】「3種類のイメージ」坂本勇人が考える打撃の極意!」と題された動画内でまず高木氏が切り出したのは、インサイドのさばきがうまいとされる点についてだった。この点について左利きでもある坂本は「自分でもよくわからないんですけど、知らない内にインサイドが打てるようになっていた」という。

 最初は感覚で打っていたが、実績を積み重ねていく内に得意になっていったとした。

 若い頃から現在への打撃スタイルの変化にも話は及んだ。坂本も若い内は「ストライクを相手に与えるのが嫌だったんです」と初球から勝負をかけるタイプだったというが、年齢を重ねるごとにじっくり配球を読んで打席で臨むようになったという。

 また高木氏から打撃で大事にしていることを聞かれると「打つポイントのイメージはめちゃくちゃ意識してます」とコメント。

 対戦投手によって、打つポイントを定めておりそのラインをこさないようにしているとした。足をあげたり、ノーステップなど様々な打法に取り組みながらも、「そこだけ崩れなければ大丈夫」と打つポイントの意識を強く持って臨んでいるという。

 さらに高木氏が最近は150キロ超えの剛腕が増えていることに関して、どう対応しているかと問われると、坂本もその点が今シーズン開幕当初の不振の要因にもあったとした上で、投手データの整理を行った上で打つポイントを定められるようになってきたところ、打撃も復調していったという。

 改めて「(打つ)ポイントのイメージを持つのはすごく大事なんだな」と気づかされたシーズンになったと振り返る。

 ほかにも打席では「基本はまっすぐ、スライダー、フォークの軌道をイメージしている感じはあります」と最大で3種類のボールを想定しながら打撃を行っていると明かすなど、31歳10か月で2000本安打を達成、史上2番目の年少記録も話題となった早熟な天才の打撃論が明かされた。

 現在2321安打まで積み重ねた。3000本安打への期待も高まるが、これまでも記録に対してはこだわりを持たず「毎日頑張って、やれることやって、どうなるんやろなって感じてます」と自然体で臨むとした。

 そんな坂本の様子を見て高木氏も「それだったら3000本いくよな」と背中を押す場面も。

 プロ18年目を迎える来季、背番号6がどんな円熟味あふれるプレーでチームを引っ張るのか。今後も注目の存在であり続ける。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

31歳10か月で2000本安打を達成した坂本勇人が「そこだけ崩れなければ大丈夫」と大事にしている「打撃の極意」とは