ソーラーパネル

太陽光発電の拡大による2030年ソーラーパネル廃棄問題が、世界で注目されている。メガソーラー施設が多く存在するインドでは、廃棄物処理への懸念が指摘されているという。『The Guardian』が伝えた。

 

■ソーラーパネルの廃棄物

IRENA(International Renewable Energy Agency:国際再生可能エネルギー機関)によると、太陽光発電の普及により、2030年までに世界で大量のソーラーパネルの廃棄物が出ると予想されている。中でも世界で有数のメガソーラー施設を抱えるインドでは、廃棄物は60万トンになるという。

CEEW(Council on Energy, Environment and Water:エネルギー・環境・水評議会)の研究は、インドにあるラジャスターン州、グジャラート州、カルナータカ州、タミル・ナードゥ州、アーンドラ・プラデーシュ州の5 つの州のメガソーラー施設から、67%の廃棄物が発生すると報告している。2050年までに現在の32倍に相当する1,900万トンにも達すると見られ、これはオリンピックサイズのプール約720個分に相当する量なのだという。

 

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■解体は民間任せ

世界3大メガソーラー施設に入るパヴァガダ発電所を監督するナラナイア・アマラナートさんは、「廃棄物管理に規制はあるものの、その責任は主に太陽光発電所を所有する民間企業にある」と話している。また、解体された部品は業者に売却されているはずだが、実際にどう使われているのかは把握していないのだという。

ソーラーパネルには、金属フレームやガラス、銅や銀、シリコンといった多数の材料が使用されているため、リサイクルするには物質ごとに分類する必要がある。しかし、インドソーラーパネルを解体する業者は、十分な道具や施設が整備されているわけでなく、すべて手作業で分解されているのだという。

 

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■規制フレームワークが必要

CEEWの研究結果では、インドソーラーパネル廃棄問題への対策として、包括的な規制のフレームワークが必要だと指摘している。

同研究ではまず、メガソーラー施設の稼働状況を知るため、マッピングの必要性を示唆。さらに、廃棄物の収集と保管に関するガイドラインが求められると述べている。そのうえで、太陽電池やソーラーパネル製造業者も2022年に施行された電子廃棄物の管理に関する規則「E-Waste Management Rules 2022」に準ずるため、廃棄物処理や保管の開発への取り組みを推奨した。

日本でも同様に、ソーラーパネルの廃棄問題は深刻な課題となっている。しかし、2025年より東京都ソーラーパネルの義務化が始まる一方、すでに2022年からは事業用の太陽光発電に対して廃棄費用の積み立てを義務化している。

インドのソーラーパネル廃棄問題と規制の必要性 日本企業も事業に多額投資