34年ぶりに東京ドームで行われた”メガ興行”のメインイベントに相応しい、圧巻のKO劇だった。
5月6日、ボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥（大橋）が、WBC世界同級1位のルイス・ネリ（メキシコ）との防衛戦に臨み、6回KO勝ち。世界の注目を集めた一戦で、極上のパフォーマンスをファンに届けた。
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戦前の下馬評は圧倒的に井上優位だっただけに、この展開を予想した人はいなかったのではないか。ネリへのブーイングが響いた東京ドームのリング、第1ラウンドからいきなり大振りの右フックを見せるなどアグレッシブに出た井上だったが、ネリの左フックを受けてまさかのダウン。その後はネリの猛ラッシュをなんとかしのいだが、明らかにいつもとは違う緊張感が漂った。
しかし、インターバルを経て2回に入ると井上は落ち着きを取り戻し始め、カウンター気味の左フックでネリからダウンを奪う。これでリズムを掴んだモンスターは右のストレート、左のボディといいパンチを重ね、挑発気味のフェイントも入れるなど、”平静”を取り戻したようだった。
5回にはネリが前に出てくるところに的確にパンチを入れ、右フックでこの日2度目のダウンを奪う。さらに畳み掛けるようにラッシュを見舞い、完全にリズムを掴んだ。
そして迎えた6回、ダメージが蓄積したネリを一気に追い詰め、最後は狙いすました右ストレートを一閃。ネリは力なくマットに沈むしかなかった。
これで27勝24KOと無敗記録を継続。歩みを止めないモンスターは、さらなる高みへと上り続けている。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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