東京都建設局は、2028年3月の新水族館オープンに向けて、江戸川区の葛西臨海水族園の整備事業を本格始動したと発表した。

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 新しい水族園は「海と接する機会を創出し、海と人とのつながりを通して海への理解を深める」がコンセプト。展示・空間演出の刷新や、環境保全への貢献など、未来に向けた新たな役割を果たすため、ハード・ソフト両面から全く新しい施設へと生まれ変わるという。

 現在、淡水に生息する生き物は、淡水生物館を含む「水辺の自然」エリアで展示をしているが、新しい水族園では、本館内で東京の川の水辺環境と淡水生物をあわせて展示することで、淡水の生態系を一体的にみられるような展示とする。具体的には、東京の川の源流から河口に至るまでの場面を体系的に展示するほか、池沼や田んぼなど里山の水辺環境も展示し、体験的に学び、環境を考える場を提供する。

 淡水生物館を含む「水辺の自然」エリアの展示及び芝生広場などの利用は、5月19日をもって終了となる。現在「水辺の自然」エリアに展示している生き物については、地元の小学生の協力も得て、現在の水族園のバックヤードへの「引越し」を行う。

 現在の水族園の建物は、新しい水族園のオープン後も保存する方針。今後、建物をどのように保存し利用していくかについては、建築家を始めとした有識者との意見交換や調査検討などを進めていく。

 また、ガラスドームへの愛着やリスペクトを表現するイベントなども実施。こうした一連の取り組みを「ガラスドームプロジェクト」と名付け、2024年度は、シンポジウムやアートイベント、3Dデジタルアーカイブスの制作などを行う予定としている。

葛西臨海水族園がリニューアル