KADOKAWAは9日、2024年3月期(’23年4月〜’24年3月)の本決算を発表し、通期業績において増収減益となったことがわかった。売上高は2,581億円(1.0%増、前年期比、以下同)、営業利益は184億円(28.8%減)だった。

【画像】KADOKAWA各事業別の業績と今後のIP価値最大化の展開予定

売上高の微増については、国内外紙書籍の減収を電子書籍やライセンス収入の成長がカバーしたことに加え、アニメ・実写映像セグメントにおいて過去最高業績を記録したことなどによるものと説明。一方の営業利益の25%超減については、出版事業における人件費高騰や物価高が影響したほか、WebサービスセグメントでのITインフラ投資などが先行したことによるものとした。

過去最高業績を記録したアニメ・実写映像セグメントについては、アニメ作品として『ダンジョン飯』『【推しの子】』『異修羅』を、実写作品として『わたしの幸せな結婚』や『首』、『マッチング』など人気タイトルの国内・海外配信を実施。製作委員会の配分やゲーム・グッズ向けのライセンス収入が好調に推移したことで、セグメント営利が+110%の力強い伸びを見せた。

そして同営利▲44%に着地したゲームセグメントでは、フロム・ソフトウェアの新作『アーマード・コア VI FIRES OF RUBICON』を当期中に発売し、過去作品のリピート販売とともに好調に推移した一方で、過去年度の『ELDEN RING』の記録的なヒットによる反動が大きかった結果だとした。また、「ニコニコ動画」などが内包するWebサービスセグメントでも収益基盤であるプレミアム会員の加入者減少などが見られたといい、先行投資など嵩み▲77%の減益になっていた。

『推しの子』等ヒットのKADOKAWA、アニメ映像事業が過去最高業績 “エルデンリング爆売れ”反動続き、本決算は25%超の減益