杉咲花がヒロインを務める連続テレビ小説「おちょやん」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)で須賀廼家千之助を演じる星田英利がコメントを寄せた。

【写真を見る】千之助(星田英利)の元を訪ね、新しい一座に参加するよう頼む千代(杉咲花)

同ドラマは、昭和の激動の時代、女優の道に全てをささげ、“大阪のおかあさん”として人気を誇った女優・浪花千栄子をモデルに、その波瀾(はらん)万丈の人生を人情味たっぷりに描く。

喜劇界の“アドリブ王”でもある千之助は、日本で1番面白いのは自分であるとの自負を持っている。とっぴな行動で周囲を振り回す破天荒な男で、千代(杉咲)と一平(成田凌)にとっては、師匠であり、ライバルであり、トラブルメーカーでもある。

2月1日2月6日(土)放送の第9週「絶対笑かしたる」では、千代が参加する新しい喜劇の一座に、一番実力者である千之助が参加しないことが分かり、不安を覚えた役者たちが次々と辞めると言い出す。そこで千代は千之助を訪ね、一座に参加するよう頼むが、千之助から「自分を笑かしたら、一座に加わる」とむちゃな条件を出され、悪戦苦闘する千代が描かれている。

■星田英利コメント

――ご自身の役柄についての印象と、演じる上で楽しみにしていること、役のここに注目してほしいという点を教えてください。

千之助は喜劇界のアドリブ王で、舞台に立つと役が憑依して、止まらなくなる天才です。劇団仲間に対してはもちろん、お客様に対しても愛嬌(あいきょう)を振りまくこともない。自分の舞台や演技に自信があるので、一切こびないという役柄です。

普段の僕は、千之助のように「芸事で結果が出ていれば、周りの評判なんて関係ない。芸が全てだ!」なんていう強気な人間ではありません。でも、芸事を志す人って、みんなこういう存在を目指してるのではないでしょうか?生まれ持った才能がありながらも、実は、陰でしっかりと努力する。決して人に努力している姿を見せることなく、結果のみを周りに見せる。真逆…ですね(笑)。

千之助には迷いがありません。だから、演じている僕の目に迷いがあってはダメなんです。普段の生活でも、ちょっとしたことに対して「千之助やったらどんなふうに振る舞うんだろう?」とか「こんな時、千之助やったらどんな発言をするんだろう?」とか考えて過ごしてます。いつ、どんな時でも僕の中に、千之助を実感しておきたいんですよね。

■星田英利「(杉咲花は)温かみを感じる女優さん」

――収録に参加されてみて、現場の印象はいかがですか?

杉咲花さんとは、初の共演です。実力のある女優さんとして知っていました。キラキラした女優さんっていっぱいいらっしゃるけど、キラキラよりホカホカっていうか、温かみを感じる女優さんの方が僕は個人的にすごいと思うんですよね。杉咲花さんは、まさにそんな感じです。芝居で絡んだとき心地よさがあるというか、温度を感じる方ですね。芯の奥底の方でぶわ〜って燃えてて、遠赤外線みたいに熱や、芯の強さみたいなものがすごく伝わってきます。

――放送を楽しみにしている視聴者へメッセージをお願いします。

やっぱり、嫌われたいですよね。この千之助っていう人間に反発、反感を抱かないと、若い人は伸びていかないと思いますし、そういう意味ではこっちも「なにくそ」と壁であり続けたいと思います。だから、僕が出てくるたびにいちいち腹が立ってほしいです。変に「いやいや、でもこれ実は優しさで」なんて勘ぐることなく、視聴者の方も、千之助に自分が言われたような気持ちになって素直に見てほしいと思います。

ただ舞台立にったときの千之助は、いろんな役を演じる天才なんで、そういう劇中劇も楽しみにしてほしいです。千代ちゃんも一平くんも、とにかくこいつを超えない限りは生きていけないわけで、全視聴者が千代と一平を応援しても、「知るかボケ」と思って、僕は壁であり続けたいなと思います。

星田英利演じる千之助は、喜劇界の“アドリブ王”/「おちょやん」第17回より (C)NHK