連続テレビ小説「おちょやん」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は一週間の振り返り)の第108回が5月5日に放送された。ラジオドラマも大ヒットし人気女優になっていく千代(杉咲花)と、新作が書けず苦しむ一平(成田凌)。2人の明暗を分けたのは“丸裸”になる覚悟だ。(以下、ネタバレがあります)

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“大阪のおかあさん”として人気を誇った名女優・浪花千栄子をモデルに、ヒロイン・千代の奮闘を描く「おちょやん」。千代は離婚と引退危機を乗り越え、第22週「うちの大切な家族だす」(第106~110回/5月3~7日)で女優復帰を果たした。

千代が出演するラジオドラマ「お父さんはお人好し」は大ヒット。千代は、近所からも「お母さん」と親しまれる人気女優へと脱皮を果たした。

「お父さんはお人好し」に出演が決まった時、女優としての千代は無名同然だった。共演者が居並ぶ顔合わせで「1年前、私はつらいことがあって、もう二度とお芝居はやれへんて決めたんだす」と葛藤を口にした千代。一平の裏切り、離婚、そして、私事のせいで千秋楽を務め上げられなかった女優としての後悔…。芝居をすることでどん底の記憶がよみがえってしまうことが何より怖かった。

だが千代は、覚悟を決めた。葛藤をすべて初対面の共演者に打ち明け、自ら丸裸になった。無名同然、ゼロからの再出発で“大阪のお母さん”の地位を築き上げ、女優として大きく羽ばたいた。

■弱音を吐く一平に寛治がかけた強い言葉

千代と対照的な描かれ方をしているのが、元夫の一平だ。新作脚本が書けないと悩み続けてきた一平は、千代が姿を消してから1年半、いまだに長く暗いトンネルを抜け出せていない。

限界までがむしゃらに頑張ることをせず、第108回では寛治に「次の舞台のホン(台本)、書いてくれへんか…頼む」「もう、何書いてもな、俺やとあかん」「ここが、限界や」と弱音を吐く始末。

そんな一平を、寛治は「ええかげんにしてください!虫のええこと言うんやないわ」「覚悟決めたていうんやったら、カッコつけんと丸裸になれや。あんたが大事にしたいこと、目そらしたいこと、みんな書かんかい!」と厳しい言葉で励ました。

つらい記憶がよみがえる恐怖にひるまず女優として再出発した千代と、これ以上傷つくのが怖くて前に進めない一平。2人の明暗を分けているのは“丸裸”になる覚悟があるかどうか。最終回まで残り7話。千代だけでなく、一平の人生の行く末もしっかりと見届けたい。

第109回は5月6日(木)に放送する。家出をした五女・静子(藤川心優)が千代の前に現れた。静子は、学業のためラジオドラマでの俳優活動をやめるよう両親から説得されていたのだった。ラジオドラマを降板したくない静子は悩んでいた。千代は、そんな静子の相談にのる。

「おちょやん」第108回より/(C)NHK